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土の微生物を色と音で体験する2日間 松戸・戸定邸で「科学と芸術の丘2026」開幕

土の微生物を色と音で体験する2日間 松戸・戸定邸で「科学と芸術の丘2026」開幕
土の微生物を色と音で体験する2日間 松戸・戸定邸で「科学と芸術の丘2026」開幕

テーマは「Weaving the Microcosmos – 小宇宙を編む –」

千葉県松戸市の〈戸定邸・松雲亭・戸定が丘歴史公園〉をメイン会場に、国際フェスティバル「科学と芸術の丘2026」が2026年10月24日(土)・25日(日)の2日間にわたって開かれます。科学、芸術、自然という異なる領域を横断しながら、国内外のアーティストや研究者、市民が関わる作品展示や体験プログラムが会場に並びます。

今年のテーマは「Weaving the Microcosmos – 小宇宙を編む –」です。土の中に生きる微生物、植物が持つ色彩、積み重なった記憶や歴史、一人ひとりの身体の感覚や経験。ふだん意識することの少ない身の回りの小さく豊かな世界を「小宇宙」と捉え、それらが出会い、影響し合うことで生まれる新たな発見や関係性を探ります。開幕前日の10月23日(金)にはメディア向けのツアーが行われ、アーティストやプロジェクト関係者が作品の背景を語りました。

土の微生物を色と音で体験する2日間 松戸・戸定邸で「科学と芸術の丘2026」開幕

歴史ある戸定邸に並ぶ注目作品

注目のひとつが、NCCRマイクロバイオーム、産業技術総合研究所(AIST)バイオものづくり研究センター、在日スイス大使館 科学技術部、そして科学と芸術の丘のコアメンバーを中心とする研究開発チーム「MISAF Lab」による「The Garden Experiment — Mens sana in ambiente sano」です。昨年から2年間に渡って展開されている日本とスイスの国際共同プロジェクトで、市民とともに土壌に生息する微生物の多様性を探っています。昨年は両国の市民がそれぞれの庭や畑で一定期間培養させた土壌のサンプルを回収・分析し、日本国内115か所を含む、両国合わせて300か所以上のデータが集まりました。

今年はその研究成果をもとに、データを視覚や聴覚で体験できる展示を展開します。実験の過程を紹介するほか、土壌の微生物の種類や割合を日本の伝統色を使った大きなタペストリーとして可視化し、日本とスイスの土壌に見られる共通点や違いを色彩で感じ取れるようにしています。別室の「Songs of the Microcosmos」では、戸定が丘歴史公園や千葉大学園芸学部など実際に実験が行われた場所の土壌のDNA解析データを音へと変換し、目に見えない微生物の世界を音楽と映像で体験できます。会期中には、日本国内で回収された115か所の土壌サンプルを並べる「Soil Gallery」も公開予定です。MISAF Labのメンバーでバイオアーティストの清水陽子は「科学的な知識を直感的に理解したり、行動につなげたりするために、アートやデザインが橋渡しできるのではないかと考えています」と話しています。

ハンガリー・ブダペストを拠点に活動するアーティストコレクティブ「pHen ARTIST COLLECTIVE」は、《pHeil》、《Circle of pHen》などを出展します。中心となるのは、植物由来のインクを使い、描きながら色を変えられる独自開発のペン型描画ツールです。たとえば紫キャベツからつくられたインクは酸性・アルカリ性の違いで色が変わり、クエン酸を加えるとピンク色に、重曹を加えると青や緑へと変化します。このツールの設計データはオープンソースとして公開されており、3Dプリンターを使って誰もが制作できます。会場では、アーティストたちのドローイングに加え、事前ワークショップの参加者が制作した作品も展示されます。

戸定邸の離座敷では、アーティスト・穴井佑樹による「layers」が展示されます。もともと平面作品として制作されていたものを、今回のテーマに合わせて空間全体を使った作品へと展開した、糸と光、音によるインスタレーションです。幾重にも張り巡らされた糸に光が重なり、ゆるやかに変化する光や音によって空間の印象も移り変わっていきます。穴井は、作品と向き合いながら自分が歩んできた軌跡を感じたり、最後には自分の内側に入っていくような体験ができたりする空間になればという思いを語っています。

土の微生物を色と音で体験する2日間 松戸・戸定邸で「科学と芸術の丘2026」開幕

身体で、対話で、街で楽しむプログラム

今年の新たな試みが、身体表現を取り入れたワークショップ「Moving Landscape: Dancing Neighbours – Movement Workshop」です。講師は、ドイツを拠点に活動するダンサー・文化プロデューサーのMichal Šandor(ミハエル・シャンドール)。ドイツ・ケムニッツで、多様な世代や背景を持つ人々が身体を通して交流するプロジェクト「ダンシング・ネイバーズ」のアーティスティック・ディレクターも務めています。舞台は戸定が丘歴史公園の梅園で、参加者はコンテンポラリーダンスやドイツの演劇教育、即興の手法を取り入れながら、言葉だけに頼らず身体の動きを通じて他者や周囲の自然と関わります。成果は一般来場者に向けた短いパフォーマンスとして披露される予定です。

このほか、子どもから大人まで参加できるワークショップやトークイベントなども用意されています。

  • 千葉大学の研究者とともに公園内の昆虫を観察し、身近な生態系を発見する「昆虫観察アウトドアワークショップ『科学と芸術の丘探検隊』」
  • 速さではなく遅さを競う「ワイルド遅四駆をつくって自然の中を走らせよう!」
  • 作品を囲んで参加者同士が感じたことを語り合う対話型鑑賞プログラム「おしゃべり鑑賞会『断片からはじまる小宇宙』」

戸定邸の大広間には「ラーニングスペース」を設け、これまでのフェスティバルの記録集や写真、年表、映像などを紹介するほか、来場者が展示の感想を共有できる場としても活用します。戸定が丘歴史公園では地域のカフェやショップが集まる「丘のマルシェ」を開催。さらに松戸市内各所では、地域のさまざまな場所や活動をつなぐ「CATALYST LINK(カタリストリンク)」を展開し、ふだん訪れる機会のない場所や街で活動する人々との出会いを生み出します。共同ディレクターの岩澤哲野は「私たちが目指しているのは、フェスティバルの2日間だけで何かが完結することではなく、ここで生まれた出会いや対話が、これからの松戸の文化や日常の中にも少しずつつながっていくことです」と語り、共同ディレクターの海野林太郎は、今年松戸や千葉で起きた大雨にも触れながら、世界各地の環境問題が自分たちの暮らしと地続きであることを作品を通して実感してほしいと話しました。

開催概要

  • 名称:科学と芸術の丘2026
  • テーマ:Weaving the Microcosmos – 小宇宙を編む –
  • 会期:2026年10月24日(土)10:00〜16:30、10月25日(日)10:00〜16:00
  • 会場:千葉県松戸市(戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園、松戸市内各所)
  • メイン会場所在地:〒271-0092 千葉県松戸市松戸714-1
  • 料金:一般 1,500円、高校生・大学生 1,400円、松戸市民割 500円(在住・在勤・在学の方)、中学生以下無料
  • 戸定が丘歴史公園および丘のマルシェはチケット不要
  • ワークショップは事前予約が必要(別途参加費がかかるプログラムあり)
  • 主催:松戸市、科学と芸術の丘実行委員会
  • 企画運営:科学と芸術の丘実行委員会

出典:科学と芸術の丘実行委員会